神経系疾患分野|ジストニア(平成23年度)

じすとにあ
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1. 概要

大脳基底核の機能異常により、筋緊張調節のバランスが失われ様々な肢位・姿勢の異常や反復性の不随意運動を生じる症候群である。

2. 疫学

約2万人

3. 原因

画像上異常のない原発性ジストニアと、外傷や血管障害、代謝異常等に伴う続発性ジストニア、薬剤性ジストニアなどがある。原発性ジストニアには遺伝家系によることがあり、約20もの遺伝子異常が発見されている。

4. 症状

持続性または反復性の筋緊張のために、顔面・頭頚部、四肢・体幹筋の定型的な肢位・姿勢の異常や不随意運動を生じる。症状の分布により、局所性・分節性・全身性に分けられる。

5. 合併症

全身性や分節性の重症例では、嚥下・発語障害、開眼障害、脊椎の彎曲変形や筋緊張性疼痛を生じることがある。

6. 治療法

薬物治療(抗コリン剤、抗てんかん薬、レボドパ製剤など)やボツリヌス毒素の局部注射療法、定位脳手術(後腹側淡蒼球凝固術、視床凝固術、脳深部刺激療法)がある。
全身性や分節性ジストニアで症状が広範囲の場合、薬物療法は無効で、脳深部刺激療法(淡蒼球内節)が著効することが多い。

7. 研究班

ジストニア脳アトラスによる淡蒼球内節機能異常の検索と新規ターゲッティング法の確立研究班