次世代遺伝子解析装置を用いた難病の原因究明、治療法開発プロジェクト
この事業について
厚生労働省では、平成23年度より、「健康長寿社会実現のためのライフイノベーションプロジェクト」との一環として、次世代遺伝子解析装置を用いて集中的に希少難治性疾患の遺伝子解析を行い、早期に原因究明、遺伝的診断手法の確立、治療法の開発に取り組んでいくことを目標に、本研究事業を設立しました。このプロジェクトは平成23年度より開始したばかりの研究事業であり、難治性疾患克服研究事業の各研究班との密接な連携を図っていく予定です。その中で、より効率的な遺伝子解析を目指すとともに、各研究班の臨床研究と連携することにより、新規の治療法開発に繋がることを目標としています。
健康長寿社会実現のためのライフイノベーションプロジェクトの全体については
厚生労働省のホームページをご参照ください。
事業の概要
次世代遺伝子解析装置を用いて、難病患者の全遺伝子を極めて短期間に解析し、早期に原因解明及び新たな治療法・開発を推進する。
我が国は、30年来に渡る難治性疾患克服研究事業研究班の研究成果及び研究班が把握している難病患者の臨床データ(臨床調査個人票など)を有効に活用することにより、難病の原因究明を飛躍的に発展させる。当該成果を積極的に活用することによって新たな治療法・医薬品の開発やテーラーメード医療などの実用化につなげ、難病の克服を目指す目的指向型プロジェクト。
・難病はゲノム上の異常を高い確率で見いだすことができると予測され、少数例の解析でも究明が可能と考えられる。
・近年開発された次世代遺伝子解析装置の技術によって、これまでよりも大幅に遺伝子解析期間の短縮を図ることが可能。
・それらの臨床データと遺伝子データを組み合わせることにより迅速な研究開発が期待。
事業イメージ
【難病、がん、肝炎等の疾患の克服(難治性疾患克服研究関連分野)】
目的: 難病患者の全遺伝子を極めて短期間に解析し、早期に原因解明及び新たな治療法・開発を推進する。
(1)一般公募型
既存の遺伝子解析装置を所有する研究者または共同利用可能な研究者により、解析を推進する。
(2)拠点公募型
難病について、主に5疾患群に区別できることから、一般公募型研究に加え、難病の解析を総合的に進めるため、5疾患群を5カ所で解析を推進する。
※5疾患群:神経系難病、遺伝性難病、循環器系難病、内科系難病、小児系難病の5疾患。
各研究班の紹介
拠点研究班(5班)
研究 代表者 | 所属施設 | 研究課題名 | 研究概要及びロードマップ |
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梅澤 明弘 | 独立行政法人国立成育医療研究センター | 小児科・産科領域疾患の大規模遺伝子配列解析による病因解明とゲノム解析拠点整備 | |
辻 省次 | 東京大学 | 神経系疾患の集中的な遺伝子解析及び原因究明に関する拠点研究 | |
松田 文彦 | 京都大学 | 網羅的統合オミックス解析を用いた難病の原因究明と新規診断・治療法の確立 | |
松本 直通 | 横浜市立大学 | 遺伝性難治疾患の網羅的エクソーム解析拠点の構築 | |
松原 洋一 | 東北大学 | 次世代シークエンサーを駆使した希少遺伝性難病の原因解明と治療法開発の研究 |
一般研究班(10班)
研究 代表者 | 所属施設 | 研究課題名 | 研究概要及びロードマップ |
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岩田 岳 | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) | 次世代シークエンサーを用いたエクソーム配列解析による黄斑ジストロフィーの原因遺伝子と発症機序の解明 | |
岩本 幸英 | 九州大学 | 特発性大腿骨頭壊死症の病因遺伝子解析と予防法開発への応用 | |
小崎健次郎 | 慶應義塾大学 | 分野横断型全国コンソーシアムによる先天異常症の遺伝要因の解明と遺伝子診断ネットワークの形成 | |
小島 勢二 | 名古屋大学 | 稀少小児遺伝性血液疾患の迅速な原因究明及び診断・治療法の開発に関する研究 | |
小室 一成 | 国立大学法人 大阪大学大学院 | 次世代遺伝子解析による希少難治性循環器疾患の診断治療法の開発と臨床実用化に関する研究 | |
髙嶋博 | 国立大学法人鹿児島大学 | 次世代遺伝子解析技術を用いた希少難治性疾患の原因究明及び病態解明に関する研究 | |
戸田 達史 | 神戸大学 | 次世代シークエンサーを用いた孤発性の神経難病の発症機構の解明に関する研究 | |
西野 一三 | 独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター | 次世代シーケンサーを用いた遺伝性ミオパチーの原因解明 | |
長谷川奉延 | 慶應義塾大学 | 全ゲノムエクソン配列解析法による先天性内分泌疾患の分子基盤の解明 | |
吉浦孝一郎 | 長崎大学 | 地域蓄積・収集した稀少疾患の系統的原因究明 |