自発性低血糖症(平成21年度)

じはつせいていけっとうしょう
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1. 概要

経口血糖降下薬やインスリン注射製剤による治療を施行していないにもかかわらず、低血糖をおこし意識障害をおこす低血糖症

2. 疫学

約350人

3. 原因の解明

1982年に行った第1回、1988年に行った第2回の全国調査によれば、上位3疾患はインスリノーマ(約50%)、膵外腫瘍(約 30%)、インスリン自己免疫症候群(約18%)だった。今回の調査によって、新たな病因がでてくるかもしれない。とくに、発症直前に服用している薬物、 サプリメントをしっかりと調査したい。

4. 主な症状

空腹感、手のふるえ、動悸、目のかすみ、意識混濁、昏睡

5. 主な合併症

高血圧、糖尿病、耐糖能低下が大多数の症例でみられる。骨粗鬆症、精神神経疾患の合併も多い。慢性の副腎皮質ホルモン過剰のため、易感染性となり、重篤な感染症に罹患しやすい。

6. 主な治療法

手術療法が一部の患者に著効する。
放射線療法が一部の患者に効果を示す。
投薬(副腎ステロイドホルモン合成阻害薬、ドパミン受容体作動薬、セロトニン拮抗薬、GABA作動薬、ソマトスタチン誘導薬)が一部の患者の症状を緩和する。

7. 研究班

自発性低血糖症の実態把握のための全国調査班