道化師様魚鱗癬(平成21年度)
どうけしようぎょりんせん
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1. 概要 | |
先天的異常により胎児の時から皮膚の表面の角層が非常に厚くなり、皮膚のバリア機能が障害される疾患。出生時には、全身が厚い板状の角質に覆われ、亀裂を生じる。 | |
2. 疫学 | |
出生数、約30万人に一人の割合(正確な患者数の統計はない) | |
3. 原因の解明 | |
皮膚最表面の表皮を作っている細胞(表皮細胞)の持つABCA12という脂質輸送蛋白質の遺伝子変異が病因である。遺伝子変異によ りABCA12が働かなくなると、皮膚表面のバリア機能にとって重要な脂質が分泌されず、表皮細胞の中に脂質がたまり、その結果、皮膚のバリア機能障害と 厚い角層を生じる。 | |
4. 主な症状 | |
胎児期から皮膚表面の角層が厚くなり、出生時には、全身の皮膚表面が非常に厚い板状の角質物質に覆われる。眼瞼、口唇がめくれ返 り、耳介の変形も認められる。出生後,時間がたつにつれて、皮膚が乾燥し、皮膚表面の引きつれは亀裂を生じる。皮膚のバリア機能の障害により、水分、蛋白 質の喪失、体温の調節異常や種々の感染症を来す。 | |
5. 主な合併症 | |
新生児期に呼吸不全を伴うことがある。 | |
6. 主な治療法 | |
新生児期は、輸液・呼吸管理、正常体温の維持、皮膚の感染のコントロール等の保存的治療が主体。皮膚には、保湿剤やワセリン等の外用による対症療法を行う。新生児期からのレチノイド全身投与療法の有効例も見られる。 | |
7. 研究班 | |
道化師様魚鱗癬の治療のための指針の作成と新規治療戦略の開発班 |