年齢依存性てんかん性脳症(平成21年度)
ねんれいいぞんせいてんかんせいのうしょう
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1. 概要 | |
新生児期から幼児期にかけて年齢依存性に特徴的なてんかん発作で発症し、特異的な脳波所見を呈し、難治性であり、知能・運動・情緒 に関する発達障害を併発する疾患群である。代表的な疾患として、大田原症候群、早期ミオクロニー脳症、ウエスト症候群(点頭てんかん)、レンノックス・ガ ストー症候群が挙げられる。 | |
2. 疫学 | |
発症数は約500人/年 推定患者数は約2万人 | |
3. 原因の解明 | |
脳形成障害や代謝異常症などの1次性脳損傷と、低酸素性虚血性脳症,外傷性もしくは感染性脳損傷などの2次性脳損傷が原因の症候性 てんかんが約7割を占める。約3割の非症候性例において、ARX、STXBP1、CDKL5、SLC25A22など、近年原因遺伝子が同定されてきている が、多くは原因不明である。 | |
4. 主な症状 | |
てんかん性スパズムを主体とするてんかん発作が頻回に認められる。病型によってはミオクロニー発作や、強直間代発作、失立発作、非 定型欠神発作などの全般発作の併発をみる。病型毎に特異的な脳波所見を呈し、大田原症候群と早期ミオクロニー脳症ではサプレッション・バーストを、ウエス ト症候群ではヒプスアリスミアを、レンノックス・ガストー症候群では広汎性遅棘徐波複合を認める。 | |
5. 主な合併症 | |
精神遅滞を伴い、重症例では運動障害も併発する。大田原症候群や早期ミオクロニー脳症など新生児期発症例では、大島分類1の重症心身障害例が多く、誤嚥性肺炎や骨粗鬆症など全身症状の併発が多い。 | |
6. 主な治療法 | |
抗てんかん薬の内服の他、ビタミンB6の内服、副腎皮質刺激ホルモンACTHまたは甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンTRHの注射やケトン食療法が行われる。 | |
7. 研究班 | |
年齢依存性てんかん性脳症の分子疫学と臨床像の解明 |