代謝疾患分野|劇症1型糖尿病(平成22年度)
げきしょう1がたとうにょうびょう
| |
1. 概要 | |
膵臓のβ細胞(インスリン分泌細胞)が急激に破壊された結果、インスリン分泌が枯渇し、その結果、血糖が上昇し、ケトアシドーシスをきたす疾患。インスリン治療を行うが血糖変動が大きく、合併症が進展しやすい。 | |
2. 疫学 | |
日本における劇症1型糖尿病患者数は、5000-7000人であると推測される。 | |
3. 原因 | |
詳細は不明であるが、感受性を有する人にウイルス感染を契機として抗ウイルス免疫が惹起され、膵β細胞が破壊され、発症する。 | |
4. 症状 | |
血糖上昇による症状(口渇、多飲、多尿)に加え、ケトアシドーシスによる症状(全身倦怠感、意識障害など)をきたす。 | |
5. 合併症 | |
インスリン治療が開始され初期の症状が改善した後も、血糖が不安定で、低血糖、高血糖(及びそれによるケトーシス)を生じやすく、糖尿病合併症(網膜症、腎症、神経障害)をきたしやすい。 | |
6. 治療法 | |
インスリン治療。膵移植、膵島移植も有効であるが、現状ではドナーが不足している。 | |
7. 研究班 | |
多施設共同研究:劇症1型糖尿病の診断マーカー同定と診断基準確立に関する研究班 |