鰓弓耳腎(BOR)症候群(平成21年度)
さいきゅうじじん(Branchio-oto-renal:BOR)しょうこうぐん
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1. 概要 | |
鰓弓耳腎(Branchio-oto-renal(BOR))症候群は、頸瘻・耳瘻孔・外耳奇形などの鰓原性奇形、難聴、腎尿路奇形を3主徴とする症候群である。 | |
2. 疫学 | |
欧米での頻度は4万人に1人。わが国では推定3,000人 | |
3. 原因 | |
常染色体優性遺伝形式をとり、EYA1遺伝子変異が約40%の頻度で認められる。SIX1遺伝子変異も原因のひとつであるが極めて頻度は低い。半数以上の症例では原因遺伝子は依然として不明である。 | |
4. 症状 | |
頸瘻・耳瘻孔・外耳奇形などの鰓原性奇形、難聴、腎尿路奇形を3主徴とする。本症候群は先天性の高度難聴や小児期腎不全の重要な原 因であり、小児高度難聴の約2%を占めるとされている。鰓原性奇形、難聴のみを呈することもあり、同一家系内で同じ遺伝子変異を持つ場合でも、その表現型 はさまざまであることが多い。 | |
5. 合併症 | |
まれに先天性白内障を合併することがある。また、頸瘻・耳瘻孔などに感染を繰り返す場合がある。 | |
6. 治療法 | |
先天性高度難聴に対しては補聴器装着や人口内耳。腎不全に進行した場合には、透析や腎移植が必要。頸瘻・耳瘻孔などに感染を繰り返す場合には瘻孔切除術を行う。 | |
7. 研究班 | |
鰓弓耳腎(BOR)症候群の発症頻度調査と遺伝子診断法の確立に関する研究 |