重症難病患者の地域医療体制の構築に関する研究
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1. 研究班の紹介 | |
難病患者さんの病気の原因解明や新たな治療法の開発はいくつかの研究班やグループでなされているが、現実に難病で困っておられる患者さんおよび家族の皆様に対する療養体制に関する研究をする班は少ない。本研究班は重度の難病患者さんが直面している療養上の問題を明らかにして、それらの患者さんへの医療提供を整備し、在宅療養支援を充実させることが大きな目的である。そのために全国から34名の班員に協力していただき、各地域での難病患者さんに対する医療体制の現状把握とその問題の解決法を研究してもらっている。 | |
2. これまでの研究成果の概要 | |
重症難病患者さんの療養は、それぞれの地域において専門医師や家庭医、それに各種の医療関係者の協力を得ながら、拠点病院と協力病院それに家庭医を統合した医療ネットワークで対応することが重要である。全国都道府県における難病医療ネットワークの整備状況や体制を調査したところ、地域により様々な状況が存在することが明らかになった。即ち、専門医の全くいないところから、拠点病院、協力病院、また家庭医のネットワークが整った地域まで様々である。それらの地域によって難病患者さんへの医療提供や在宅療養支援体制は様々であり、地域の特性に応じて療養を行っていることが明らかとなった。 | |
現在の医療状況においては、拠点病院や協力病院において難病患者さんの長期にわたる入院の場を確保することは極めて困難である。したがって拠点病院および協力病院の役割は入院の場としてのとらえ方以外に求めていくことが重要と考えられる。その一例としては、拠点病院などの専門医師と家庭医との協力による二人主治医制による医療の提供が求められてきている。また、在宅療養の支援においてはレスパイト入院による家族などの介護負担の軽減、また人工呼吸器や在宅医療に必要な医療機器、例えばコミュニケーション機器の貸し出し等がいくつかの地域で行われてその成果があがっている。 | |
3. 研究班としてトピックス的な話題など | |
本研究班では重症難病患者さんが直面している療養上の問題点のなかで重要度と緊急性、実現性の高い項目に関しては、プロジェクト研究を行ってその解決に向けて努力をしている。それらは |