オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)(平成21年度)
おすらーびょう(いでんせいしゅっけつせいまっしょうけっかんかくちょうしょう)
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1. 概要 | |
オスラー病(遺伝性出血性末梢血管拡張症)は、1.遺伝的発生、2.皮膚・粘膜および内臓の多発性末梢血管拡張、3.それらの部位からの反復する出血を3主徴とする疾患である。合併する脳動静脈奇形や肺動静脈奇形が破裂すれば時に致死的となる。 | |
2. 疫学 | |
約15,000人 | |
3. 原因 | |
常染色体優性遺伝により発症する。現在まで、責任遺伝子としては、HHT1(Endoglin)、HHT2(ALK1)が報告されている。この2つ以外の責任遺伝子の存在が推定されているが、未だに確定されていない。 | |
4. 症状 | |
鼻出血、消化管出血、腹痛、口腔内出血、全身倦怠感、痙攣、頭痛など多彩である。 | |
5. 合併症 | |
肺、脳、肝臓などの動静脈奇形が破裂すれば致命的な経過を取る。その他、重篤な合併症としては、脳膿瘍、敗血症、肝性脳症、消化管出血、粘膜出血などがある。 | |
6. 治療法 | |
各臓器における動静脈奇形に対しては、経カテーテル塞栓術療法、外科的摘出術、放射線照射などが行なわれる。消化管出血に対して は、内視鏡的レーザー照射が有効である。鼻出血に対しては、スポンゼルによる圧迫、レーザー照射、皮膚粘膜移植などが行なわれる。鉄欠乏性貧血に対しては 鉄剤の投与が行なわれる。 | |
7. 研究班 | |
遺伝性出血性末梢血管拡張症(オスラー病)に関する遺伝疫学的検討と診療ガイドラインの作成班 |