遠位型ミオパチー(平成21年度)

えんいがたみおぱちー
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1. 概要

遠位筋が好んで侵される遺伝性筋疾患の総称。世界的には少なくとも9つの異なる疾患が含まれるとされているが、本邦では、「縁取り 空胞を伴う遠位型ミオパチー」(常染色体劣性)、「三好型ミオパチー」(常染色体劣性)、「眼咽頭遠位型ミオパチー」(遺伝形式不明)の3疾患しか見出さ れていない。

2. 疫学

不明

3. 原因の解明

「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、シアル酸生合成経路の律速酵素をコードするGNE遺伝子のミスセンス変異による。「三好 型ミオパチー」は筋鞘膜修復に関係する蛋白質ジスフェルリンの欠損症である「眼咽頭遠位型ミオパチー」の一部の患者は、実際には、臨床病理学的に類似する 眼咽頭型筋ジストロフィーに罹患しているが、大半の患者では原因不明である。

 

4. 主な症状

「縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー」は、10代後半~30代後半にかけて発症し、前脛骨筋を特に強く侵すが、進行すると近位筋も 侵される。病理学的に縁取り空胞の出現を特徴とする。「三好型ミオパチー」は10代後半~30代後半に発症し、主に下腿後面筋群が侵されるが進行すると近 位筋も侵される。血清CK値が高度に上昇する。「眼咽頭遠位型ミオパチー」は通常成人期~老年期にかけて発症し、眼瞼下垂、眼球運動障害、嚥下障害に加え て、特に前脛骨筋を侵すミオパチーを呈する。筋病理学的には縁取り空胞を認める。

5. 主な合併症

転倒による外傷など(歩行障害のため)。「眼咽頭遠位型ミオパチー」では、嚥下障害による誤嚥性肺炎など。

6. 主な治療法

根本的治療法はない。

7. 研究班

遠位型ミオパチーの実態調査班