歌舞伎(Niikawa-Kuroki)症候群(平成21年度)
かぶき(Niikawa-Kuroki)しょうこうぐん
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1. 概要 | |
1981年に我が国から発信した原因不明の先天異常症(多発形態異常症候群)。患者の切れ長の目をもつ顔貌が歌舞伎役者の隈取に似ることから命名。国内外から約400例の報告がある(推定罹病率は1/32,000)。ほとんどが弧発例で家族例は極く少数。 | |
2. 疫学 | |
推定頻度から算出した推計罹患者は約4,000人 | |
3. 原因 | |
ゲノム医学的手法で原因不明の本症の解明を目指す。まず典型患者試料の再収集によって試料の均一化を図り、マイクロアレイ解析によ るゲノム再構成の検出を試みる。さらに次世代シーケンサによる解析やヒストン修飾異常の解析、ホモ接合性マッピングなど新基軸発想による原因遺伝子探索を 行い、原因遺伝子を特定する。 | |
4. 症状 | |
切れ長の眼瞼裂、外側が薄い眉毛、大きく張った耳介、つぶれた鼻尖部、口蓋裂、下口唇瘻孔などの特異顔貌、多くは中程度の低身長と軽度~中程度の精神発達遅滞をもつ。脊椎矢状裂・脊柱側湾などの骨格異常、関節過伸展、皮膚紋理異常、種々の内臓奇形、易感染性などを伴う。 | |
5. 合併症 | |
易感染性、口蓋裂に続発する中耳炎とその後の伝音性難聴、内臓奇形に伴う種々の合併症など。 | |
6. 治療法 | |
本質的な治療法はない。種々の合併症に対する対症療法。 | |
7. 研究班 | |
ゲノム異常症として歌舞伎症候群原因遺伝子同定と遺伝子に基づく成長障害治療可能性の研究開発 |