骨格筋チャネル病(平成21年度)

こっかくきんちゃねるびょう
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1. 概要

骨格筋に発現するイオンチャネル遺伝子の異常による疾患の総称。低カリウム性周期性四肢麻痺、Andersen-Tawil症候 群、高カリウム性周期性四肢麻痺、先天性パラミオトニー、カリウム惹起性ミオトニー、先天性ミオトニー(ベッカー、トムゼン)などが狭義のチャネル病であ る。なお、10万人当たり7人程度と成人でもっとも頻度の高い筋ジストロフィー症である筋強直性ジストロフィーも類縁疾患である。甲状腺機能亢進に伴う二 次性の周期性四肢麻痺は一般臨床でも良く経験される。

2. 疫学

狭義のチャネル病は非常に稀で不明。

3. 原因

骨格筋型ナトリウムチャネルの遺伝子異常は高カリウム性周期性四肢麻痺、先天性パラミオトニーや低カリウム性周期性四肢麻痺など の、骨格筋型カルシウムチャネルの遺伝子異常は低カリウム性周期性四肢麻痺の、骨格筋型塩化物イオンチャネルの異常は先天性ミオトニーの、そして一種のカ リウムチャネルの異常はAndersen-Tawil症候群のそれぞれ原因となることが判明しているが、他にも原因遺伝子があると考えられている。

4. 症状

筋強直(ミオトニー)や筋痛あるいは1時間から1日程度持続する麻痺発作を示す。高カリウム性周期性四肢麻痺などのように両方を示すものもある。重症例では乳幼児期にチアノーゼを呈したり、年齢とともに筋萎縮や筋力低下、骨格変形をきたすことがある。

5. 合併症

Andersen-Tawil症候群では不整脈、顔面・手指の骨格奇形などを合併する。

6. 治療法

筋強直に対しては抗不整脈薬や抗てんかん薬が用いられる。麻痺発作の予防のためにアセタゾラミドが有効とされている。重症の急性麻痺発作の場合には入院のうえ血清Kの補正を行う。

7. 研究班

本邦における筋チャネル病の実態に関する研究