血球貪食症候群(平成21年度)
けっきゅうどんしょくしょうこうぐん
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1. 概要 | |
家族性血球貪食症候群はリンパ球の細胞障害性顆粒の産生および搬送・分泌過程を制御する遺伝子群の異常により、マクロファージやリ ンパ球の過剰反応が持続し、多様な臓器障害が引き起こされる疾患群である。二次性血球貪食症候群では、感染症、リンパ腫などの疾患群の発症に付随して同様 の病態を呈する。 | |
2. 疫学 | |
約1,000人 | |
3. 原因の解明 | |
家族性血球貪食症候群の遺伝子異常としてはperforin, syntaxin11, MUNC13-4が報告されているが、日本人の約50%の症例では原因遺伝子が不明である。二次性血球貪食症候群は様々な原因によって発症するが、共通した原因は未解明である。 | |
4. 主な症状 | |
抗生剤不応性で持続する発熱、皮疹、肝脾腫、リンパ節腫張、出血症状、けいれん、肺浸潤、腎障害、下痢、顔面浮腫、など多彩である。 | |
5. 主な合併症 | |
感染症、DICを併発することが多い。その他、高LDH血症を伴う肝機能障害、凝固異常、低蛋白血症、低コレステロール血症、高ト リグリセライド血症、高フェリチン血症などが観察されることがある。骨髄は低形成のことが多く、血球のうち主に赤血球を貪食するマクロファージが増加す る。 | |
6. 主な治療法 | |
家族性血球貪食症候群に対して骨髄移植。二次性の疾患に関しては原疾患の治療に加えて、ステロイド、サイクロスポリンA、VP-16が用いられる。 | |
7. 研究班 | |
血球貪食症候群の病態・診療研究班 |