小児交互性片麻痺(平成21年度)

しょうにこうごせいへんまひ
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1. 概要

乳児期から幼児期初めまでに発症する左右不定の一過性麻痺症状を繰り返す疾患。

2. 疫学

約100人

3. 原因の解明

発症原因は不明。

4. 主な症状

麻痺は主に弛緩性で左右のどちらからでも始まる。5分間くらいから1週間以上続く場合もある。麻痺発作は片側だけのこともあれば、 反対側に移動することもある。また四肢麻痺を呈することもある。これに加えて眼球異常運動(眼振、左右別々の動き)、筋緊張低下、精神運動発達遅滞、強直 けいれん発作、不随意運動(ジストニア、ヒョレオアテトーシス)などを呈する。

5. 主な合併症

(1) 強直発作のけいれん重積、(2) 四肢麻痺発作時に横隔膜麻痺による呼吸停止が起きることがある。いずれも生命の危険がある。早急に対処できても運動機能障害、知的退行などの後遺症を残す可能性がある。

6. 主な治療法

治療法は確立されていない。抗てんかん薬(クロナゼパム、アセタゾラミド、トピラマートなど)が治療の基本となる。国外において は、カルシウムチャンネルブロッカーである塩酸フルナリジンが汎用されている。麻痺発作の軽減効果があるとされている。国内では入手できない。けいれん重 積時や呼吸麻痺時には人工呼吸器を使用する。

7. 研究班

小児交互性片麻痺の疫学と病因および治療法開発の研究   疾病の実態把握のための奨励研究班