新生児一過性糖尿病(TNDM)(平成21年度)

しんせいじいっかせいとうにょうびょう(TNDM)
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1. 概要

生直後1ヶ月間の高血糖(インスリン依存性)を示す。半数は、3ヶ月で自然治癒するが、半数は糖尿病となる。また、ほとんど全例成人では、Ⅱ型の糖尿病を発症する。

2. 疫学

500人~1,000人

3. 原因

染色体6q24領域の父性ダイソミーUPD、父性重複paternal duplication、インプリント調節領域(6q24)のメチル化異常methylation defect

4. 症状

高血糖による 1.巨大児 2.新生児仮死 3.分娩障害 4.呼吸窮迫症候群 5.新生児低血糖症 6.多血症,過粘度症候群 7.低カルシウム症 8.高ビリルビン血症 9.肥厚性心筋症がみられる。

5. 合併症

糖尿病による
1) 急性感染症(肺炎、膀胱炎、腎盂炎、胆のう炎)
2) 糖尿病性昏睡
3) 低血糖昏睡(意識障害)

慢性合併症としては
1) 糖尿病性網膜症糖尿病(失明)
2) 糖尿病性腎症(腎不全に陥り透析治療が必要になる)
3) 糖尿病性神経障害   他に、白内障、緑内障、脂肪肝、動脈硬化等

6. 治療法

対症療法。根本的な治療法はないため長期介護が必要となる症例がほとんどである。

7. 研究班

ゲノムインプリンティング異常症5疾患の実態把握に関する全国多施設共同研究班