先天性角化不全症(平成21年度)
せんてんせいかくかふぜんしょう
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1. 概要 | |
染色体のテロメアを構成する分子の異常で皮膚、粘膜、神経系、肺などの全身臓器の異常のほか再生不良性貧血をともなう。 | |
2. 疫学 | |
約200人 | |
3. 原因 | |
染色体上のテロメアを構成する分子異常でこれまで6つの遺伝子変異が同定されている。 | |
4. 症状 | |
典型例では、爪形成不全、口内白斑、皮膚萎縮に再生不良性貧血を合併する。重症例では脳形成不全をともない精神発達遅滞がみられる。また、身体的特徴はみられず、特発性再生不良性貧血や特発性肺線維症と診断されている不全型もみられる。 | |
5. 合併症 | |
上記の3兆候と再生不良性貧血のほか、肺障害、肝障害、骨格異常、脱毛、精神発達遅滞がみられることがある。扁平上皮がんや造血器腫瘍の合併も加齢とともに増加する。 | |
6. 治療法 | |
蛋白同化ホルモンで一時的に汎血球減少の改善がみられることがあるが、血液異常の根本的な改善には造血幹細胞移植を必要とする。 | |
7. 研究班 | |
先天性角化不全症の効果的診断法の確立と治療ガイドラインの作成に関する研究 |