軟骨無形成症(平成21年度)

なんこつむけいせいしょう
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1. 概要

内軟骨性骨化の異常により長管骨の成長障害をきたす疾患。膜性骨化は障害されないため頭蓋骨は大きい。

2. 疫学

推定6,000人

3. 原因の解明

原因遺伝子はFGFR3(線維芽細胞増殖因子受容体3)であることが知られている。患者の98%にFGFR3のG380R点変異(380番目のグリシンがアルギニンに置換される変異)を認める。

4. 主な症状

(1) 低身長(成人身長120-130cm)、四肢短縮、大きな頭蓋、鞍鼻、三尖手、O脚、肘関節の伸展制限
(2) 骨年齢の遅延、長管骨骨幹端の杯状変形、小さな骨盤、水平の臼蓋、小さな坐骨切痕、椎弓根間距離の狭小化
(3) 乳児期に運動発達の遅延はあるが知能は正常

5. 主な合併症

水頭症、アデノイド、滲出性中耳炎、頻脈、多汗、脊柱管狭窄症に伴う四肢麻痺。

6. 主な治療法

本質的な治療はない。
低身長に対しては成長ホルモン皮下注射や創外固定を用いた四肢延長術などが行われている。四肢延長術と同時にO脚の矯正も行う。脊柱管狭窄症に対しては椎弓形成術や固定術が行われる。

7. 研究班

軟骨無形成症の臨床診断基準に関する研究班