難治性発作性気道閉塞疾患(平成21年度)

なんちせいほっさせいきどうへいそくしっかん (PROD:Paroxysmal respiratory obstructive diseases)
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1. 概要

発作性に上気道または下気道が閉塞し、気管支喘息発作と似た呼吸困難をきたし、気管支喘息に対する通常治療によって症状が緩和されない疾患群。
本疾患群は、難治性喘息、Vocal cord dysfunction(VCD)、運動誘発性過呼吸、その他の発作性上気道閉塞の4つに分類される。

2. 疫学

不明

3. 原因の解明

難治性発作性気道閉塞疾患のほとんどが、通常治療に抵抗性の難治性喘息あるいは心因性喘息と診断されている。しかし本来の難治性喘 息以外のものは、気道の慢性炎症が原因となる喘息とは異なり、気道炎症を伴わず不安などの情動変化と気道反応が条件付けされて発作性の症状を反復している ものが多い。また脳腫瘍などの中枢神経系の異常が原因となるものも一部存在する。

4. 主な症状

気管支喘息と酷似した発作性喘鳴、呼吸困難、咳嗽が認められる。
ただしVCDなどの上気道閉塞を伴うものでは吸気性の喘鳴が主となり、呼吸困難の重症度と比較して経皮的酸素飽和度低下が軽微か認めないことが多い。

5. 主な合併症

気管支喘息が合併していることも多いが、本来の重症度よりも重く評価されており、本疾患の治療により気管支喘息自体の治療ステップを下げることが可能となる。
原因不明の心身症症状(頭痛、めまい、胸痛等)を伴うことがあるが、本疾患群に対する治療で、これらの症状も軽減することが期待できる。

6. 主な治療法

発作を惹起する情動変化の把握とそれらの条件付けに対する脱感作(行動分析、筋弛緩訓練、系統的脱感作等)、器質的病変に対する手術など

7. 研究班

難治性発作性気道閉塞障害の病態把握に関する研究班