乳児ランゲルハンス細胞組織球症(平成21年度)
にゅうじらんげるはんすさいぼうそしききゅうしょう
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1. 概要 | |
抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞が皮膚や骨、リンパ節、肝臓、脾臓、肺、造血器、頭蓋内などで異常に増殖し、組織の障害と破壊を起こす。 | |
2. 疫学 | |
乳児の発症数は年間15例程度 | |
3. 原因の解明 | |
ランゲルハンス細胞の増殖機序については不明である。増殖しているランゲルハンス細胞はモノクローナルであり腫瘍性の性質を持つが、一方、自然治癒する例もなかにはあり反応性の可能性もある。 | |
4. 主な症状 | |
発熱、皮疹、中耳炎、骨痛、軟部組織腫脹、呼吸不全、黄疸、貧血、出血傾向、運動障害など症状は多彩である。強力な治療をしても約10%の例は急速に進行し致命的となる。一旦、症状が改善しても再燃することがしばしばあり、慢性に経過することが多い。 | |
5. 主な合併症 | |
尿崩症などの内分泌障害、整形外科的障害、呼吸不全、肝不全、中枢神経障害など様々な後遺症を残すことがある。 | |
6. 主な治療法 | |
多臓器に病変が及ぶ場合には、抗がん剤による治療が必須である。急速進行例では、造血細胞移植を行わなければ救命できない。単一病変型では、自然治癒することもあり経過観察するが、特に皮膚単独型の場合、多臓器型に移行し急速に進行することもある。 | |
7. 研究班 | |
乳児ランゲルハンス細胞組織球症の病態解明と診療研究班 |