アトピー性脊髄炎(平成21年度)

あとぴーせいせきずいえん
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1. 概要

種々のアトピー性疾患(アレルギー性疾患)に伴って、四肢遠位部の感覚障害、運動麻痺、排尿排便障害を主徴とする脊髄炎を発症する。単相性、再発性、進行性など様々な経過をとる。

2. 疫学

500人~1,000人

3. 原因の解明

アトピー素因を背景に脊髄炎を発症する。髄液でIL-9、eotaxinが特異的に増加し、総合障害度と有意な相関を示すことか ら、Th9細胞や好酸球がエフェクター細胞として重要と考えられる。本研究班では、アトピー性脊髄炎の特異的マーカーを同定し、アトピー性脊髄炎の診断基 準を作成する。この診断基準に基づいた全国臨床疫学調査を実施し、その実態を明らかにする。これに基づいた治療方針の策定を目指す。

4. 主な症状

四肢遠位部優位の耐え難い異常感覚(ジンジン感や痛み)・感覚低下を呈する。様々な程度の痙性対麻痺、痙性片麻痺、痙性四肢麻痺を示す。排尿困難、便秘を伴う。ときに顔面の異常感覚・感覚低下も見られる。

5. 主な合併症

アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、喘息、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー

6. 主な治療法

ステロイドパルス療法、血漿交換、免疫ブログリン大量静注療法、免疫抑制剤

7. 研究班

アトピー性脊髄炎診断基準の作成とそれに基づいた臨床疫学調査の実施班