リンパ管腫(平成21年度)
りんぱかんしゅ
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1. 概要 | |
リンパ管腫は主に小児(多くは先天性)に発生する大小のリンパ嚢胞を主体とした腫瘤性病変であり、生物学的には良性とされる。全身 どこにでも発生しうるが、特に頭頚部や縦隔内に好発する。多くの症例では治療可能であるが、重症例はしばしば治療困難であり気道閉塞などの呼吸器問題や美 容的な問題を抱えている。 | |
2. 疫学 | |
推定10,000人 | |
3. 原因の解明 | |
多くは先天性で、リンパ管の発生異常(奇形)により生じた病変と考えられているが、証明されていない。原因は不明である。 | |
4. 主な症状 | |
多くは頭頚部、体幹、四肢の体表から認められる腫瘤を形成する。胸腔・腹腔内にあって外観上分かりにくい場合もある。通常は腫瘤が あることで外観の問題を呈するにとどまるが、内部に感染や出血を起こすことがあり、発熱や疼痛、部位によっては気道圧排症状や急性腹症を呈し、気道確保、 呼吸管理などを要する重症管理が必要となることもある。 | |
5. 主な合併症 | |
局所の急性感染、リンパ管腫内出血、気道閉塞、嚥下障害、発声障害、誤嚥性肺炎、腹痛、嘔吐、下痢等 | |
6. 主な治療法 | |
外科的切除、硬化療法(ピシバニール、高濃度アルコール、高濃度糖水等)、抗癌剤、インターフェロン療法、レーザー焼灼法など。 | |
7. 研究班 | |
日本におけるリンパ管腫患者(特に重症患者の長期経過)の実態調査及び治療指針の作成班 |