AAA症候群(平成21年度)

AAAしょうこうぐん
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1. 概要

AAA(トリプルA)症候群は食道アカラシア(Achalasia)、無涙症(Alacrima)、副腎皮質機能不全 (Adrenal insufficiency)の3徴候に筋萎縮と筋力低下が合併する常染色体劣性疾患である。原因遺伝子としてALADIN遺伝子が同定されているが、遺 伝子変異と発症病態・臨床型との関連は未解明であり、根治療法もなく、長期にわたる療養生活を必要とする難治性疾患である。

2. 疫学

本邦の遺伝子診断確定例は6人

3. 原因の解明

原因遺伝子ALADINが同定され、これまで全世界で約150の遺伝子異常例が報告されたが、本邦ではわずか6例にとどまる。また、臨床的にAAA症候群と診断された1/3以上の例で遺伝子異常が検出されず、原因不明例が多い。

4. 主な症状

発症年齢は0~35歳と広く分布し、食道アカラシア、無涙症、副腎皮質機能不全の3徴候に筋萎縮と筋力低下を生じる。一部の患者あるいは病期によっては、これらのいくつかのみを呈する場合がある。

5. 主な合併症

身体的ストレスにより致死性低血糖を起こす場合がある。

6. 主な治療法

根治療法はないが、副腎皮質機能不全に対して、副腎皮質ステロイド補充療法が対症的に行なわれる。

7. 研究班

AAA症候群の実態把握のための奨励研究班