CNP/GC-B系異常による新規骨系統疾患(平成21年度)

CNP/GC-Bけいいじょうによるしんきこつけいとうしっかん
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1. 概要

C型ナトリウム利尿ペプチド(CNP)およびその受容体B型グアニル酸シクラーゼ(GC-B)は内因性骨伸長促進因子であるが、現 在GC-B遺伝子の機能喪失型変異によるマロトー型遠位中間肢異形成症のみが確認されている。同疾患は骨系統疾患の1疾患であり、生直後の骨格系には顕著 な異常を認めないものの、生後2年までに急速な骨伸長障害をきたし、成人の最終身長は5SD以下となる。

2. 疫学

GC-B異常症(マロトー型遠位中間肢異形成症)が1,000,000人に1人

3. 原因の解明

同疾患に分類される疾患として、現在のところGC-B機能喪失型変異によるマロトー型遠位中間肢異形成症のみが報告されている。今後、他のCNP/GC-B系因子の変異が、類縁の骨系統疾患において同定される可能性がある。

4. 主な症状

低身長(成人の最終身長は5SD以下となる)、四肢の中間部、および遠位部の著しい伸長障害。

5. 主な合併症

日本における症例では偽動脈瘤の合併が報告されているが、本症に特徴的なものかは現在のところ不明である。今後他症例におけるさらなる検討が待たれる。

6. 主な治療法

一般的な治療法は確立されていないと考えられる。軟骨無形成症等の骨系統疾患では、一般的に骨延長術や、効果は限定されるが、成長ホルモン治療がおこなわれている。

7. 研究班

低身長症におけるCNP有効症例の把握と診断法の確立班