Pendred症候群(平成21年度)

Pendredしょうこうぐん
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

先天性難聴と10才以後に発症する甲状腺腫を合併する常染色体劣性遺伝の疾患。

2. 疫学

4000人

3. 原因の解明

Pendred症候群の患者のおよそ半数にSLC26A4遺伝子変異が認められ、主要な原因である。残りの半数の患者の原因は現在まだ不明である。日本人では変異の頻度がより高いという報告が近年されているが確定していない。

4. 主な症状

1) 先天性あるいは小児期からの両側性高度感音難聴。一部の症例では進行性あるいは変動性の経過を呈する。
2) 両耳の前庭機能低下によるめまい。
3) 10才以後に発症する甲状腺腫。一部の症例では甲状腺機能低下症を伴う。

5. 主な合併症

小児難聴の結果としての言語発達の遅れ。
甲状腺腫は、少数ではあるが極めて巨大化して外見上の問題となり、さらに呼吸障害を生じる場合がある。

6. 主な治療法

1) 難聴に対する治療

A. 慢性、進行性の難聴の場合
ⅰ. 補聴器、ⅱ. 人工内耳、ⅲ. 言語訓練

B. 難聴の急性増悪時の場合突発性難聴に準じた治療を行う。具体的には、(入院)安静、点滴あるいは経口のステロイド投与、高気圧酸素療法、内耳循環促進薬投与などがある。

7. 研究班

Pendred症候群に関する研究班