RS3PE症候群(RS3PEしょうこうぐん)(平成21年度)

remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema
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1. 概要

1985年McCartyらにより提唱された、60歳以上の高齢者に好発し、比較的急性に発症する圧痕浮腫を伴うリウマトイド因子陰性の対称性滑膜炎で、X線上関節破壊をきたさず、再発・再燃はまれである。

2. 疫学

不明であるが、文献上150症例以上の症例報告がある。

3. 原因の解明

悪性腫瘍、リウマチ性多発筋痛症、シェーグレン症候群、パーキンソン病、パルボウイルスなどの感染症と関連が指摘されている。HLA-B7が半数の患者で陽性である。
RS3PE症候群患者の血清中のvascular endothelial growth factor (VEGF)濃度が著明に増加しており、このVEGFによる血管透過性の亢進がRS3PE症候群患者の手足の浮腫の発現に関与しているものと考えられてい る(Arima K, Ann Rheum Dis, 2005)。

4. 主な症状

発症は突然であり、対称性滑膜炎による末梢関節痛、両側手背・足背の圧痕を残す浮腫、手指屈筋腱の炎症による疼痛がみられる。

5. 主な合併症

消化器系、前立腺などの固形癌や悪性リンパ腫の合併が多いので、全身的な精査も必要である。

6. 主な治療法

プレドニゾロンを10~15mg/日の内服より開始し、漸減する。

7. 研究班

高VEGF血症を特徴とするRS3PE症候群関連新疾患概念の確立と普及研究班