奇形症候群|急激退行症(21トリソミーに伴う)(平成22年度)
きゅうげきたいこうしょう
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1. 概要 | |
急激退行症は、成人期の21トリソミー患者に見られる。「言葉を発しない」、「寝たきりになる」、「コミュニケーションが取れない」などの症状が突発的に出現する。アルツハイマー病との異同が指摘されている。 | |
2. 疫学 | |
発症頻度は明らかではない。 | |
3. 原因 | |
21トリソミー患者では、21番染色体が3本あり、21番染色体がコー ドするアミロイド前駆体タンパク遺伝子が、健常人の1.5倍存在する。その量的効果で、脳の中のアミロイドタンパクが増加し、若年期からアルツハイマー病 様の変化を脳内に生じ、それが引き金となって、急激退行症を発症する可能性が指摘されているが、確証はない。 | |
4. 症状 | |
21トリソミー患者が有する発達障害などとは別に、突発的に「言葉を発しない」、「寝たきりになる」、「コミュニケーションが取れない」などの症状を呈する。 | |
5. 合併症 | |
精神運動発達遅滞、先天性心疾患など。 | |
6. 治療法 | |
根本的な治療法はない。小規模な症例報告などで、アルツハイマー病治療薬である塩酸ドネベシルが急激退行症に有効であることを示唆する報告があるが、体系的な臨床試験は行われていない。 | |
7. 研究班 | |
急激退行症(21トリソミーに伴う)の実態調査と診断基準の作成研究班 |