神経皮膚疾患分野|原発性局所多汗症(平成22年度)

げんぱつせいきょくしょたかんしょう
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

原発性局所多汗症は、局所性多汗症のうち基礎疾患がなく、手、足、腋窩、顔などに日常生活に支障を来たす発汗過剰を認める疾患である。

2. 疫学


原発性掌蹠多汗症の有病率:5.3%
原発性腋窩多汗症の有病率:5.7%
重症原発性掌蹠多汗症の有病率:0.64 %(80.12万人)
難治性重症原発性掌蹠多汗症(重症原発性多汗症の5.6%)の有病率:4.5万人

3. 原因

局所多汗症の病態も依然明らかになっていない。掌蹠や一部腋窩はコリン作動性交感神経が関与するが、その責任部位としては前頭葉、海馬、扁桃核ともいわれるがまだ解明されてはいない。

4. 症状

局所多汗症は多汗の症状により、患者は様々な精神的苦痛を受ける。その 内容は仕事、勉強への悪影響、対人関係への支障をきたすなどであり、QOLを著しく低下させる疾患であるといえる。多汗症が原因でうつ病など精神的、かつ 社会的な苦痛をうける患者は多数存在していると考えられている。

5. 合併症

うつ病など精神的疾患。

6. 治療法

塩化アルミニウム外用療法、イオントフォレーシス療法、ボツリヌス毒素局注療法、胸腔鏡下交感神経遮断術など。

7. 研究班

難治性重症原発性局所多汗症の病態解析及び治療指針の確立班