消化器系疾患分野・免疫系疾患分野|好酸球性食道炎(平成22年度)
こうさんきゅうせいしょくどうえん
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1. 概要 | |
好酸球性食道炎は食道の粘膜に多数の好酸球の浸潤をきたし、好酸球が引き起こす慢性炎症のために食道の正常な運動が障害されたり、炎症に伴う食道の内腔の狭窄のために食物の正常な摂食、嚥下が障害をされる病態である。 | |
2. 疫学 | |
疫学調査からの国内推定値は約100名であるが、近年患者数の増加が著しい。 | |
3. 原因 | |
食物または空気中の真菌等が原因となって食道の粘膜にアレルギー反応が引き起こされることが原因であると推定されているが、まだ原因に関しては不明な点が多い。 | |
4. 症状 | |
嚥下障害が最も多く半数以上を占めている。嚥下障害に次いでつかえ感、胸痛、むねやけ、胸部不快感などが代表的な症状である。 | |
5. 合併症 | |
嚥下障害に伴う栄養障害が最大のものである。 | |
6. 治療法 | |
プレドニゾロンまたは吸入用のフルチカゾンの内服が用いられることが多 い。これらの治療は初期治療効果は高いが薬剤の減量に伴って再燃が生じやすい。抗アレルギー薬の効果は一定しない。食べ物から一定の抗原となりやすい食品 を除いた除去食や成分栄養食の投与が用いられることもある。 | |
7. 研究班 | |
好酸球性食道炎/好酸球性胃腸炎調査研究班 |