骨形成不全症(平成22年度)

こつけいせいふぜんしょう
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1. 概要

骨の主要な成分であるコラーゲンの先天的な異常により、骨脆弱性を示す疾患。臨床的には易骨折性、進行性四肢骨変形および脊椎変形を特徴とする。

2. 疫学

我が国における有病率は少なくとも1万人当たり0.193人である。

3. 原因

骨の主要なコラーゲン成分である1型コラーゲンを規定する遺伝子、あるいは1型コラーゲンの成熟に関与する遺伝子の異常に起因する単一遺伝子病である。

4. 症状


(1)多発骨折:通常骨折をきたさないようなごく軽微の外的要因でも骨折をきたす。
(2)難聴:耳小骨病変のために難聴をきたす。
(3)その他:患者の一部は青色強膜、象牙質形成不全、皮膚関節の過伸展を有する。

5. 合併症


(1)骨変形:最大の合併症は骨変形である。四肢変形および脊椎変形ともに起こりうる。
(2)低身長:長軸方向への骨伸長の障害による。
(3)呼吸障害:胸郭低形成により呼吸障害をきたすことがある。

6. 治療法


(1)内科的治療:骨折頻度の減少を目的としたビスフォスフォネートの静脈内投与が行われる。本治療は保険未収載であり、具体的な治療方法、治療継続期間、有害事象などに関する情報は限定的である。
(2)外科的治療:骨折した際に観血的骨整復術、四肢変形に対して骨切り術、長管骨の骨折変形予防を目的とした髄内釘挿入などが行われる。

7. 研究班

骨形成不全症の診断治療研究班