免疫系疾患分野|細網異形成症(平成22年度)

さいもういけいせいしょう
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1. 概要

多系統の細胞の分化障害により多系統、多臓器に発症することを特色とする難病である。各系統細胞の分化過程でアポトーシスに陥ることが予想されているが、詳細は不明である。

典型例では、Tリンパ球分化障害、骨髄系細胞分化障害、感音性難聴を呈する。その他、多臓器の障害の報告もあるが、実態が明らかでない。

また、非典型例では、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群、骨髄不全との鑑別診断が困難である。また、単独の感音性難聴患者の中に見逃されていると考えられる。

2. 疫学

4例~数100例。

3. 原因

原因不明であるが、一部の症例でAK2が原因遺伝子であることが報告された。しかし、その遺伝子異常と発症機序の関連は不明である。

AK2正常の細網異形成症については、家系分析による原因遺伝子同定が進行中である。

4. 症状

好中球減少、Tリンパ球減少、低γ-グロブリン血症、易感染性、感音性難聴。

5. 合併症

悪性リンパ腫など悪性腫瘍の高頻度発症。

6. 治療法

造血幹細胞移植、感染症コントロール(抗生剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤投与など)、G-CFS投与、γ-グロブリン補充。

7. 研究班

細網異形成症の診断と治療に関する調査研究班