内分泌疾患分野|性分化疾患(平成22年度)
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1. 概要 | |
性分化疾患は、出生時の外性器異常(性別判定困難)や思春期発来異常を 招く極めて多様な病気の総称であり、付随症状・合併症状を伴うタイプと伴わないタイプに大別される。多くは適切な社会的性の決定を必要とする新生児期救急 疾患であり、かつ、思春期発来障害、性腺腫瘍易発症性、性同一性障害、不妊症などを伴う難病である。 | |
2. 疫学 | |
全ての性分化疾患として約10,000人(個々の病気では数名から3,000名程度)。 | |
3. 原因 | |
出生時・乳児期の外性器異常と思春期発来異常に大別して記載する。個々のグループが高度の遺伝的異質性を有するため、原因は極めて多岐にわたる。 | |
4. 症状 | |
外性器異常、思春期発来異常、性同一性障害、不妊症を中核症状とする。特に出生時の外性器異常は、社会的性(養育上の性)の決定を困難とするため、最大の問題である。 | |
5. 合併症 | |
(1)Y染色体を有する性腺形成異常患者における性腺腫瘍発症、(2) 性染色体異常症患者における成長障害、(3)副腎疾患を伴う患者におけるショック症状や突然死のリスク、(4)先天奇形症候群を伴う患者における当該症 状、(5)多くの患者における性同一性障害、(6)社会心理的問題、(7)成人年齢における不妊症などが挙げられる。 | |
6. 治療法 | |
(1)外性器形態異常を有する患者における外性器形成術、(2)ホルモ ン補充療法(男児のミクロペニスに対するテストステロン投与、男女両性における思春期からの性ホルモン補充)、(3)Y染色体を有する性腺形成異常患者に おける性腺摘出術、(4)社会・心理的なサポートなどが挙げられる。 | |
7. 研究班 | |
性分化疾患における診断法の確立と治療指針の作成研究班 |