奇形症候群|先天性横軸形成障害(上腕欠損、前腕欠損)(平成22年度)
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1. 概要 | |
生下時より上腕あるいは前腕より末梢が欠損している先天性疾患である。通常 は欠損肢の末梢部に小さい塊(nubbins)を伴う。多くは散発性、片側性である。合併奇形、精神発達遅延を伴うことはまれであり、上腕欠損の場合は肩 関節、前腕欠損の場合は肩関節、肘関節の機能は通常正常である。 | |
2. 疫学 | |
全国規模の調査はされていないが発生数は10-15名前後/年と考えられる。 | |
3. 原因 | |
散発性の疾患と言われ、胎生4~5週における肢芽あるいは外胚葉性頂提形成 の際の血流不全が原因として最も考えられている(Bavinck JN et al., Am J Med Genet 1986, Fawcett LB et al., Teratology 1998, Hoyme HE et al., J Pediatr 1982)。 | |
4. 症状 | |
上肢欠損という整容面での障害のみならず、体の対称性が保持できないことで 側弯症やその他の姿勢異常および骨格異常を来す(伊藤ら,日職災医誌 2007)医学的側面、また乳児期より上肢を用いて這うこと(Beasley RW, J Hand Surg [Am] 1987)や楽器の演奏ができない等、文化的な生活を営む側面での障害を認める。 | |
5. 合併症 | |
合併奇形、精神発達遅延を含め合併症を伴うことはまれである(James MA et al., Green’s Operative Hand Surgery 5th ed. 2005)。そのために幼少時からの義手訓練によりその巧みな使用が期待できる。 | |
6. 治療法 | |
橈骨と尺骨を分離して両骨でつまみ動作を獲得する方法(Chan KM,J Hand Surg [Am] 1984)や前腕延長(Alekberov C, J Bone Joint Surg [Br] 2000, Seitz WH Jr, J Hand Surg[Am] 1989)の報告があるが、それぞれ整容面や機能面の改善に課題が残る。 | |
7. 研究班 | |
先天性横軸形成障害(前腕欠損、上腕欠損)に対する個性適応型情報処理に基づいた筋電義手の治療指針作成研究班 |