内分泌疾患分野|先天性高インスリン血症(平成22年度)
せんてんせいこういんすりんけっしょう
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1. 概要 | |
先天性、持続性のインスリン過分泌により症候性の低血糖症をきたす。 | |
2. 疫学 | |
約2600人(1/50000出生と推定)。 | |
3. 原因 | |
遺伝性。およそ半数は膵β細胞上でインスリン分泌の調節を行うATP依存性カリウムチャネルを構成するSUR1, Kir6.2サブユニットの遺伝子異常による。 | |
4. 症状 | |
新生児、乳児期に低血糖症状で発症する。低血糖による症状として、発汗、意識障害、けいれんなどがみられる。 | |
5. 合併症 | |
重症例、管理不良例では神経後遺症の頻度が極めて高い。膵亜全摘を行った症例では多くはインスリン依存性糖尿病を残す。 | |
6. 治療法 | |
高濃度ブドウ糖の持続静注、持続鼻注・胃瘻による血糖維持。内科的治療としてジアゾキサイド内服、オクトレオチド皮下注、グルカゴン静注・皮下注が行われる。反応不良例においては、95%以上の膵亜全摘が行われてきた。 | |
7. 研究班 | |
先天性高インスリン血症の病態解明と治療適正化に関する研究班 |