神経系疾患分野|先天性大脳白質形成不全症(平成22年度)
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1. 概要 | |
大脳をはじめとする中枢神経系の白質の髄鞘形成が遺伝的要因により先天 的に不完全(低形成)な疾患群。髄鞘の構成成分や髄鞘化に必要な因子などの遺伝的な異常が原因でおこる、中枢神経系の髄鞘化の広範かつ著明な低下あるいは 停止を特徴とする。現在までにペリツェウス・メルツバッハ病をはじめ、10疾患が知られている。脱髄性疾患および代謝性や全身性障害に伴う二次的な髄鞘化 障害による疾患は除外する。 | |
2. 疫学 | |
不明である。現在実施中の全国実態調査の途中経過からの推定患者数は200人程度と考えられる。 | |
3. 原因 | |
ほとんどが遺伝性である。ペリツェウス・メルツバッハ病はPLP1遺伝 子の変異でおこる。それ以外に、ペリツェウス・メルツバッハ様病の一部はGJC2 遺伝子の変異、18q 欠失症候群ではMBP 遺伝子の欠失、アラン・ハーンドン・ダドリ-症候群ではSLC16A2 遺伝子変異、HSP60 シャペロン病ではHSP60 遺伝子変異、サラ病ではSLC17A5 遺伝子変異、先天性白内障を伴う髄鞘形成不全症ではFAM126A 遺伝子変異、脱髄性末梢神経炎、中枢性髄鞘形成不全症、ワーデンバーグ症候群、ヒルシュスプルング病ではSOX10 遺伝子変異が原因である。一方で、半数程度で原因遺伝子が見いだせない。 | |
4. 症状 | |
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5. 合併症 | |
多くの症例が寝たきりの状態で全面介助が必要であり、これに伴う拘縮や褥瘡のほか、呼吸器感染症や嚥下性肺炎などを合併する。てんかんを合併する場合もある。 | |
6. 治療法 | |
痙攣・痙性に関して各種抗痙攣薬・筋弛緩薬が対症療法として用いられるが、現在のところ、根本的な治療法はない。 | |
7. 研究班 | |
先天性大脳白質形成不全症の診断と治療に向けた研究班 |