循環器系疾患分野|中性脂肪蓄積心筋血管症(平成22年度)

ちゅうせいしぼうちくせきしんきんけっかんしょう
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

2008年、我が国の心臓移植待機症例から見出された新規疾患単位であり、心筋、冠状動脈に中性脂肪が蓄積することによって、重度の心不全、不整脈、虚血性心疾患などを呈する難病である。
心臓外症状として骨格筋ミオパチーを来す症例もある。

2. 疫学

不明。
本症は、その発見が、2008年と、その研究の歴史が浅い。診断基準を作成して、症例数を把握していくのが、本研究班の目的でもある。

3. 原因

原発性中性脂肪蓄積心筋血管症の原因として、adipose triglyceride lipase 遺伝子の欠損が明らかになっている。二次性としては、さまざまな代謝異常に伴うものの存在が推定される。

4. 症状

動悸、息切れ、呼吸困難、全身倦怠感、などの不整脈症状、心不全症状。骨格筋障害のある例では、手足の脱力、歩行困難など。

5. 合併症

重症心不全、ミオパチー。

6. 治療法

現在のところ、不整脈、心不全や筋症状に対する対症療法。重症心不全例 では、心臓移植など。骨格筋障害のある症例では、その対症療法。尚、研究班では中鎖脂肪酸 (Medium chain triglyceride, MCT)による食事療法を開発し、その効果を検討中である。

7. 研究班

中性脂肪蓄積心筋血管症に関する調査研究班