循環器系疾患分野|内臓錯位症候群(平成22年度)
ないぞうさくいしょうこうぐん
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1. 概要 | |
本来は非対称の発育を示す臓器や臓器系が、左右対称性に発育してしまったものであり、左側にしかない脾臓が両側で欠損する(無脾症)、あるいは左右両方にある(多脾症)状態をはじめ、複雑心奇形、様々な腹部臓器異常、免疫低下などを合併する症候群。 | |
2. 疫学 | |
5000人程度とされている。 | |
3. 原因 | |
原因不明であり、遺伝子異常の有無も解明されていない。 | |
4. 症状 | |
複雑心奇形によるチアノーゼ、心不全が重篤な症状となる。このため哺乳障害、体重増加不良、易疲労などの症状がある。また免疫能低下による易感染性が問題となる。 | |
5. 合併症 | |
突然死をはじめ、ショック症状や消化管の回転異常。さらに重症細菌感染症による発熱が合併する。とりわけ、心奇形に対して下記のプロスタグランジンE1持続点滴を必要とする場合は、感染症の合併が大きなリスクとなる。 | |
6. 治療法 | |
新生児期の肺動脈閉鎖例にはプロスタグランジンE1点滴により動脈管の開存をはかる方法が主体となり、根治的には心疾患に対する外科的治療が必要である。房室弁閉鎖不全に対して血管拡張剤投与が必要であるが、現行のプロスタグランジンE1療法には持続時間等の問題がある。 | |
7. 研究班 | |
内臓錯位症候群に対する新規治療薬の開発研究班 |