神経系疾患分野|難治性脳形成障害症(平成22年度)
なんちせいのうけいせいしょうがいしょう
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1. 概要 | |
神経の発生過程の異常による脳形成障害症の中には、脊髄髄膜瘤に合併す る脳形成異常や先天性水頭症の一部のように、治療法も予後も明らかになっている疾患がある一方、難治性のものは、約30%存在する。その中には、重症水頭 症(X連鎖性遺伝性水頭症、その他の遺伝性水頭症、水頭症症候群)、全前脳胞症、 脳梁欠損症、 神経細胞移動異常症( 神経細胞移動異常症<滑脳症、丸石様滑脳症、異所性灰白質>、大脳皮質構築障害<多小脳回症、裂脳症>、異常増殖<片側巨 脳症>)、ダンディウォーカー症候群、 水無脳症、 二分頭蓋(脳瘤)、キアリⅡ型奇形(脊髄髄膜瘤に合併する脳形成異常症のうち難治性のもの)、その他の上記に分類されない脳形成異常症などが含まれる。そ れぞれが稀少疾患であるが、最近の分子遺伝子学的知見によりその病態の解明が期待できる疾患である。 | |
2. 疫学 | |
患者数 約1000人。 | |
3. 原因 | |
遺伝子異常による遺伝的要因と環境因子による関与が考えられている。一部原因遺伝子がはっきりしているものもある。 | |
4. 症状 | |
重度精神運動発達遅滞。てんかん発作。 | |
5. 合併症 | |
顔面の異常。四肢の異常。先天性心血管障害疾患。内分泌障害。腎泌尿器系疾患。 | |
6. 治療法 | |
水頭症に対しては脳室腹腔シャント術など、難治性てんかんに対しても、焦点切除などのてんかん手術が機能予後の改善にもつながる。抗てんかん薬治療や呼吸循環管理、発達リハビリテーションなどの対症療法も必要である。 | |
7. 研究班 | |
胎児診断における難治性脳形成障害症の診断基準の作成研究班 |