神経系疾患分野|非もやもや病小児閉塞性脳血管障害(平成22年度)
ひもやもやびょうしょうにへいそくせいのうけっかんしょうがい
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1. 概要 | |
小児閉塞性脳血管障害には初発症状や検査所見がもやもや病に類似しなが らも同疾患診断基準を満たさず、同疾患とは明らかに異なるものが存在し、もやもや病とは異なる対応が必要となるが、治療指針は確立されておらず、また疫学 データも存在しない。もやもや病の発生頻度が非常に低い欧米において近年Transient cerebral arteriopathy (TGA)という病態概念が提唱され、小児脳梗塞の原因として頻度が高いことが示されつつある。本邦においても「非もやもや病小児閉塞性脳血管障害」の一 病型としてTGAのような病態の存在が推定されるが、もやもや病の頻度が極端に高い本邦においてこれら欧米の疫学データは適用できず、本邦独自の調査が必 須である。 | |
2. 疫学 | |
詳細不明(これまで疫学的調査が行われたことがない)。推定500人~1000人。 | |
3. 原因 | |
非もやもや病小児閉塞性脳血管障害は様々な病態が含まれると考えられ、原因は単独ではない。血管解離、先行ウイルス感染による免疫学的機序、塞栓症等が考えられる。 | |
4. 症状 | |
大脳基底核梗塞による一側上下肢麻痺で発症する例が多い。これまでの症例研究では、初回発作を乗り切り、かつ継続的な内科治療および画像フォローアップがなされれば、その後の発作再発は少ない傾向にある。 | |
5. 合併症 | |
特異的なものはない。 | |
6. 治療法 | |
抗血小板剤治療。脳血行力学的障害が強い場合には、脳血管バイパス手術の適応も考慮する必要あり。 | |
7. 研究班 | |
非もやもや病小児閉塞性脳血管障害の実態把握と治療指針に関する研究班 |