神経系疾患分野|アトピー性脊髄炎(平成22年度)

あとぴーせいせきずいえん
研究班名簿 一覧へ戻る

1. 概要

アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎などのアトピー性疾患に伴う脊髄炎。

2. 疫学

約1000人。

3. 原因

アトピー素因を背景としたアレルギー的機序による炎症性の脊髄障害が原 因として推定されている。病理学的には脊髄への好酸球の浸潤、免疫学的には髄液におけるインターロイキン-9、エオタキシンなどの上昇を認めることから、 好酸球やTh2細胞、Th9細胞が病態に関与していると考えられているがその詳細な原因は不明。

4. 症状

脊髄障害による四肢の異常感覚(じんじん感)を主な症状とする。その他に筋力低下、感覚低下、歩行障害、腱反射異常、排尿障害などもみられる。

5. 合併症

アトピー性皮膚炎、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、食物アレルギー、アレルギー性結膜炎など。
一部では脊髄炎に加えて末梢神経障害を合併する。

6. 治療法

ステロイドパルスを含むステロイド治療や血漿交換などの免疫療法が有効。

7. 研究班

臨床疫学調査結果・新規免疫検査結果に基づくアトピー性脊髄炎の新規診断基準作成とその国内外での臨床応用に関する研究班