神経系疾患分野|ジストニア(平成22年度)

じすとにあ
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1. 概要

大脳基底核の原因により,筋肉の緊張の調節異常によって,様々な肢位・姿勢の異常や反復性の不随意運動を生じる症候群である。

2. 疫学

人口10万人あたり6人。

3. 原因

画像上異常のない原発性ジストニアと、外傷や血管障害、代謝異常等に伴う続発性ジストニア,薬剤性ジストニアなどがある.原発性ジストニアには遺伝家系によることがあり,15の遺伝子異常が知られている。

4. 症状

筋肉が持続的または反復的に緊張するために,顔面表情筋や,頚部筋,四肢・体幹筋の異常な収縮により,定型的な肢位姿勢の異常あるいは不随意運動を生じる。

5. 合併症

髄節性や全身性の重症例では,嚥下・発語障害,開眼障害,脊椎の彎曲変形や筋緊張性疼痛を生じることがある。

6. 治療法

薬物治療(抗コリン剤,抗てんかん薬,レボドパ製剤など)やボツリヌス毒素の局部注射療法,定位脳手術(後腹側淡蒼球凝固術,視床凝固術,脳深部刺激療法)がある.
髄節性や全身性ジストニアで症状が広範囲の場合,薬物療法は無効で,脳深部刺激療法(淡蒼球内節)が著効することが多い。

7. 研究班

ジストニア脳アトラスによる淡蒼球内節機能異常の検索と新規刺激ターゲッティング法の確立研究班