神経系疾患分野|ファ-ル病(特発性両側性大脳基底核・小脳歯状核石灰化症)(平成22年度)

ふぁーるびょう(とくはつせいりょうそくせいだいのうきていかく・のうしじょうかくせっかいかしょう)
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1. 概要

ファール病は大脳基底核(線条体、淡蒼球)、小脳歯状核に石灰化をきた す疾患である。原因として副甲状腺機能低下がある症例、また家族例の報告もあるが、多くは孤発例、原因不明である。臨床症状も無症状からパーキンソン症状 など錐体外路症状、小脳症状、認知症状をきたすなど幅広い。また初老期認知症の中で、ファール病同様の石灰化とともに、病理学的に大脳皮質にびまん性に多 数の神経原線維変化を認める疾患が日本から報告されており(DNTC Kosaka K 1994)、その関連性を検討することが重要である。

2. 疫学

典型例は本邦では約50~100例と推定しているが、定義、診断基準もまだ確立していない。

3. 原因

多くはカルシウム代謝に異常を認めず、病態、原因は不明である。家族性の報告がある。

4. 症状

無症状からパーキンソン症状など錐体外路症状、小脳症状、認知症状をきたすなど幅広い。本疾患は若年発症例もあり、進行性である。また偶発的に頭部CT所見から見つかることもある。

5. 合併症

錐体外路症状、小脳症状による転倒、骨折がある。

6. 治療法

全くない。

7. 研究班

ファ-ル病(特発性両側性大脳基底核・小脳歯状核石灰化症)の分子病態の解明研究班