その他分野|リンパ管腫(平成22年度)
りんぱかんしゅ
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1. 概要 | |
リンパ管腫は主に小児(多くは先天性)に発生する大小のリンパ嚢胞を主 体とした腫瘤性病変であり、生物学的には良性とされる。全身どこにでも発生しうるが、特に頭頚部や縦隔、腋窩に好発する。多くの症例では硬化療法や外科的 切除等による治療が可能であるが、重症例はしばしば治療困難であり、気道閉塞などの機能的な問題や美容的な問題を抱えている。血管病変を同時に有すること もある。英語名はlymphangioma。 | |
2. 疫学 | |
推定10,000人。 | |
3. 原因 | |
多くは先天性で、胎生期のリンパ管の発生異常により生じた病変と考えられているが、その発生機序は明らかでない。原因は不明である。 | |
4. 症状 | |
多くは頭頚部、体幹、四肢の体表から認められる腫瘤を形成する。胸腔・ 腹腔内にあって外観上分かりにくい場合もある。通常は腫瘤があることで外観の問題を呈するにとどまるが、経過中に内部に感染や出血を起こすことがあり、発 熱や疼痛、部位によっては気道圧排症状や急性腹症を呈し、気道確保、呼吸管理などを要する重症管理が必要となることもある。 | |
5. 合併症 | |
局所の急性感染、リンパ管腫内出血、気道閉塞、嚥下障害、発声障 害、誤嚥性肺炎、腹痛、嘔吐、下痢等。 | |
6. 治療法 | |
外科的切除、硬化療法(ピシバニール、ブレオマイシン、高濃度アルコール、高濃度糖水、フィブリン糊等)、抗癌剤、インターフェロン療法、ステロイド療法、レーザー焼灼法など。 | |
7. 研究班 | |
日本におけるリンパ管腫患者(特に重症患者の長期経過)の実態調査及び治療指針の作成班 |