免疫系疾患分野|Rothmund-Thomson症候群(ロスムンド・トムソン症候群)(平成22年度)
ろすむんど・とむそんしょうこうぐん
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1. 概要 | |
Rothmund-Thomson症候群は、小柄な体型、日光過敏性紅斑、多形皮膚萎縮症を特徴とする常染色体劣性の遺伝病である。さらに、高率に癌腫(特に、骨肉腫、皮膚扁平上皮癌)を合併する。 | |
2. 疫学 | |
数十人 (推定)。 | |
3. 原因 | |
DNAの複製・修復に関与するヘリカーゼタンパクRECQL4の異常により、発症する。病因遺伝子は明らかになっているが、その機能については、不明な点が残されている。 | |
4. 症状 | |
特徴的な皮膚所見が乳児期から認められる。浮腫性紅斑から毛細血管拡張、皮膚萎縮、色素沈着をきたす。特に、日光に暴露される箇所に強い。水疱を形成することもある。幼児期に若年性白内障、低身長、骨格異常、性腺機能低下を呈する。 | |
5. 合併症 | |
きわだった特徴は、癌腫の高率な発症である。骨肉腫、皮膚扁平上皮癌、白血病、胃癌等の合併が報告されている。免疫不全の合併も報告されている。 | |
6. 治療法 | |
日光暴露をさける。皮膚病変に対して、レーザー治療等が行われることがある。白内障、骨格の異常に対しては、対症療法が主体となる。定期的な検診により癌腫の発生を早期に発見し、外科的切除、抗がん剤による治療を行う。 | |
7. 研究班 | |
Bloom症候群とその類縁疾患の実態調査、早期診断法の確立に関する研究班 |