奇形症候群分野|CFC症候群(シー・エフ・シー症候群)(平成22年度)
しーえふしーしょうこうぐん
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1. 概要 | |
細胞内Ras/MAPKシグナル伝達経路に存在する遺伝子の先天的な異 常によって、成長・発達障害、精神発達遅滞、薄い眉毛や側頭部狭小などの特徴的な顔つき、脆弱でカールした毛髪、湿疹・角化異常・魚麟癬などの皮膚症状、 先天性心疾患、肥大型心筋症などがみられる遺伝性疾患。この疾患名は、Cardio-Facio-Cutaneous症候群(心臓・顔・皮膚症候群)の略 称に由来している。 | |
2. 疫学 | |
国内外を問わず、実態は不明。国内では100名弱ではないかと推定される。 | |
3. 原因 | |
約半数強の患者で、KRAS、BRAF、MEK1、MEK2遺伝子のい ずれかに先天的な異常が認められる。残る患者群では、病因遺伝子はまだ同定されていない。これらの遺伝子は細胞内Ras/MAPKシグナル伝達経路に存在 するが、その異常がなぜ発達障害や種々の臨床症状をきたすかについては解明されていない。 | |
4. 症状 | |
成長・発達障害、精神発達遅滞、薄い眉毛や側頭部狭小などの特徴的な顔つき、脆弱でカールした毛髪、湿疹・角化異常・魚麟癬などの皮膚症状、先天性心疾患、肥大型心筋症などが認められる。 | |
5. 合併症 | |
ときに、白血病などの悪性腫瘍を合併する。 | |
6. 治療法 | |
根本的な治療法は知られていない。対症療法がおこなわれる。心疾患や悪性腫瘍の早期発見と早期治療が、予後を大きく改善する。 | |
7. 研究班 | |
コステロ症候群・CFC症候群類縁疾患の診断基準作成と治療法開発に関する研究班 |