奇形症候群分野|Ellis-van Creveld症候群(エリス・ファンクレフェルト症候群)(平成22年度)
えりす・ふぁんくれふぇるとしょうこうぐん
| |
1. 概要 | |
中胚葉と外胚葉に異形成をもたらす症候群で、先天性心疾患に加えて、遠位から中間の肢節の短縮を伴う四肢短縮・低身長と歯牙や爪の低形成を有する。別称・軟骨外胚葉異形成症。 | |
2. 疫学 | |
6~4万人に1人の発生という報告がある。日本においても同様だとする と、20年間で約200~300人の出生がある。この20年間はほぼ心内修復の成績が安定しているので、そのうちの多くは生存していると思われる。それ以 前に出生している患者を含めると、現在数百名の患者がいると想像される(統計データはない)。 | |
3. 原因 | |
常染色体劣性遺伝形式で、4p16に位置するEVC遺伝子、EVC2遺伝子の異常に起因する。 | |
4. 症状 | |
先天性心疾患として約60%に心房中隔欠損や心内膜床欠損を認める。必発する多指症をはじめ、軟骨形成不全による胸郭低形成、肢節短縮と低身長、外反膝、歯牙の低形成あるいは欠損、爪の低形成や粗な毛髪などを認める。 | |
5. 合併症 | |
心疾患や胸郭低形成により死産または乳児期に約半数が死亡すると言われる。知能は正常。 | |
6. 治療法 | |
心疾患には心内修復術。多指症には根治的切除術。その他整形外科的修復術。内科的には心疾患に対する内服治療やデンタルケア。 | |
7. 研究班 | |
Ellis-van Creveld症候群の疫学調査と治療指針作成・研究班 | |