免疫系疾患分野|Muckle-Wells症候群(Cryopyrin関連周期熱症候群)(平成22年度)
Muckle-Wellsしょうこうぐん(Cryopyrinかんれんしゅうきねつしょうこうぐん)
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1. 概要 | |
自己炎症性疾患の一つであり、軽症型の家族性寒冷自己炎症性症候群、中間型のMuckle-Wells症候群、重症型のCINCA症候群の3症候群が含まれる。炎症性サイトカインIL-1βの産生亢進により、持続性または周期性の全身炎症を来す。 | |
2. 疫学 | |
日本における推定患者数は100人程度である。孤発例が多いが、家族例の報告も増えている。男女比はない。 | |
3. 原因 | |
常染色体優性遺伝形式をとり、炎症性サイトカインIL-1βの活性化を 制御するNLRP3遺伝子の機能獲得変異により発症する。重症型のCINCA症候群では大部分の患者が孤発例であり、その約半数は体細胞モザイクで発症し ている。患者ではNLRP3遺伝子の異常により、単球系細胞のIL-1β産生が亢進している。 | |
4. 症状 | |
症状は軽症例では寒冷刺激で誘発されるが、重症例では持続的である。蕁 麻疹様の発疹、発熱が新生児期・乳児期から見られる。関節炎の他、重症例では骨幹端の変形が見られ、著しい低身長を来す。中枢神経病変として慢性髄膜炎を しばしば認め、頭痛・嘔吐・うっ血乳頭などを伴う。感覚器障害として慢性前部ブドウ膜炎・感音性難聴などがある。 | |
5. 合併症 | |
中枢神経炎症による水頭症、知能低下、関節病変による拘縮・変形などを認め、重症例では寝たきりとなる。持続的な全身炎症に伴う続発性アミロイドーシスがしばしば合併し、予後不良因子となる。 | |
6. 治療法 | |
抗IL-1療法が有効であり、リコンビナントヒトIL-1受容体拮抗薬のアナキンラが著効する。ステロイドは無効である。関節拘縮に対して、理学療法、外科的療法が必要な場合がある。 | |
7. 研究班 | |
Cryopyrin-associated periodic syndrome(CAPS)に対する細胞分子生物学的手法を用いた診療基盤技術の開発班 |