神経系疾患|Perry(ペリー)症候群(平成22年度)
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1. 概要 | |
Perry(ペリー)症候群はパーキンソニズム、うつ、体重減少、低換 気をきたし、予後不良の稀な遺伝性疾患と報告されている。遺伝形式としては常染色体優性遺伝形式が考えられている。2009年にDCTN1(ダイナクチン 1)が原因遺伝子として報告されたが、DCTN1は多くのエクソンからなり、解析には多大な時間と労力と費用を要すこともあり、報告症例は世界でもまだ数 えるくらいしかない。日本においても、患者の実態、地域特異性、有病率等疫学的知見には乏しいが、複数家系が存在することが分かってきている。 | |
2. 疫学 | |
2009年にDCTN1が原因遺伝子として報告されたが、世界で遺伝子診断により確定されているのは8家系、本邦でも2家系のみで、本疾患の疫学的分布や頻度は明らかでない。 | |
3. 原因 | |
原因はDCTN1遺伝子変異によることが報告されているが、その遺伝子変異がどのように発症に関わっているかの詳細なメカニズムは今のところよくわかっていない。 | |
4. 症状 | |
これまで報告された症例からは、パーキンソニズム(振戦、無動、筋強 剛、姿勢反射障害)、うつ、体重減少、低換気をきたすと報告されている。経過は5-10年くらいのことが多い。パーキンソニズムに対しL-ドーパ反応性の 症例もあり、パーキンソン病との異同が問題となる。一方運動ニューロン徴候は明らかでない。 | |
5. 合併症 | |
肺炎、尿路感染、褥創、呼吸不全など。 | |
6. 治療法 | |
パーキンソニズムに対しL-ドーパの効果があることがあり、抗パーキンソン病薬が適応になる。抗うつ剤も良い適応になる。根本治療は確立されていない。 | |
7. 研究班 | |
Perry(ペリー)症候群の診断基準等の作成のための奨励研究班 |