奇形症候群分野|Rubinstein-Taybi症候群(平成22年度)
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1. 概要 | |
RubinsteinとTaybi(1963年)が“Broad thumbs and toes and facial abnormalities“と題して、精神運動発達遅滞,特異顔貌、幅広い拇指趾をもつ7症例を報告したのが最初で、以後、同様の症例が報告され, Rubinstein-Taybi症候群と呼称される多発奇形症候群。 | |
2. 疫学 | |
不明。 | |
3. 原因 | |
16p13.3に座位するCREB -binding protein遺伝子(CREBBP or CBP)が責任遺伝子と判明した。発症機序は不明。診断基準はなく、臨床症状から診断する。本症候群における、CREBBPの異常検出率は約20―50% であり,遺伝的異質性の存在を示唆されている。CREBBPが,白血病・悪性腫瘍の発生に関与していることが示唆されている。 | |
4. 症状 | |
精神運動発達遅滞,特異顔貌、幅広い拇指趾。 | |
5. 合併症 | |
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6. 自然歴と予後 | |
新生児・乳児期には反復性呼吸器感染,哺乳障害,嘔吐,誤嚥,便秘が問題と なる。学童期になると精神運動発達遅滞や肥満傾向がみられる。悪性腫瘍の合併以外は,一般に,生命予後は良好である。先天性であり、多臓器の障害は慢性か つ持続的であり、生活面での長期にわたる支障を来す。合併症の治療を積極的に行い、QOLの向上に努める。てんかんのコントロールも重要である。。 | |
7. 治療法 | |
現在のところ根本的治療法はない。早期の合併症に対応することで長期的予後の改善をはかる。 | |
8. 研究班 | |
Rubinstein-Taybi症候群の臨床診断基準の策定と新基準にもとづく有病率の調査研究班 |