循環器系疾患分野|22q11.2欠失症候群(平成22年度)

22q11.2けっしつしょうこうぐん
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1. 概要

患者の80%に先天性心疾患を合併し、胸腺発達遅延・無形成による免疫低下、特徴的顔貌、口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全、低カルシウム血症などを主徴とする。

2. 疫学

4,000~5,000人に1人の頻度で発生する希な疾患である。

3. 原因

染色体22q11.2の微細欠失が認められ、約30個以上の遺伝子が欠失しているが、未だ発現機序は不明の疾患である。

4. 症状

重症な心奇形に加え、低身長、血小板減少、汎血球減少、痙攣、斜視、気管支軟化症、脳萎縮、白内障、尖足、側弯症、腎奇形、尿道下裂、鎖肛、鼠径ヘルニアなど180以上の臨床症状が報告されている。さらに免疫低下、血小板減少、肺高血圧などが合併することがある。

5. 合併症

心疾患は、ファロー四徴症、肺動脈弁欠損、肺動脈閉鎖、主要体肺側副動脈の合併などがある。手術がしばしば困難で、手術後遠隔期に心不全などによる死亡例もある。

6. 治療法

未だ効果的な治療方法は未確立、予後不良の疾患である。患者はたとえ生存しても、発達遅延や統合失調症をはじめとした精神疾患などによる生活面の長期にわたる支障を来す。

7. 研究班

22q11.2欠失症候群の原因解明、管理、治療に関する研究班