ネフロン癆(指定難病335)
ねふろんろう
- 症状や検査所見からネフロン癆を疑い、遺伝子検査や腎病理組織で診断します。症状については病気の解説を参照ください。検査は画像検査、血液検査、尿検査などが一般的に行われ、腎臓の形態や腎機能を評価します。遺伝子検査は保険診療として行われますが、研究としても行われています。したがって、研究協力の依頼という形で遺伝子検査が提示される場合があります。検査を行うかどうかは主治医とよくご相談ください。遺伝子検査で変異が見られた場合にはネフロン癆の診断になりますが、変異がない場合でもネフロン癆でないとは言えません。腎病理組織診断のためには腎生検が必要です。腎生検は腎機能や腎嚢胞の程度によっては避けたほうがよい場合があります。遺伝子検査も腎生検もできない場合、あるいは検査をしたとしても特徴的な異常が見られなかった場合には、似た症状を呈する他の疾患を鑑別することによって診断することになります。
この病気はどのように診断しますか?
- 低形成異形成腎、常染色体顕性(優性)多発性嚢胞腎、常染色体潜性(劣性)多発性嚢胞腎、常染色体顕性(優性)尿細管間質性腎疾患があります。小児期から腎不全になる、一次繊毛の異常で発症する(病気の解説を参照ください)、画像上似たような所見を呈する、などが鑑別を要する理由です。
鑑別が必要な疾患にはどのようなものがありますか?
- 病気の解説にありますように、主に常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)形式をとります。染色体は遺伝子が集まった構造物で、両親から半分ずつ受け継ぎます。その遺伝子の片方だけに変異がある場合は発症しません(保因者)が、両方に変異があると発症します。したがって、保因者同士から産まれる子どもに発症する可能性があり、この場合発症する確率は理論上4人に1人です。なお、保因者は症状を全く認めません。さらに詳しく知りたい場合には、主治医と遺伝カウンセリングについてご相談ください。
遺伝について詳しく教えてもらえますか?
- 大きく制限が必要になることはほとんどありません。むしろ、近年では適度な運動を行うことが推奨されています。運動の際には脱水にならないように塩分や水分をしっかりととってください。
運動はどのくらいしてもいいですか?
- 移植された腎臓にネフロン癆が再発することはありません。
腎移植を受けた後の再発はありますか?